1. トップページ > 
  2. 転職お役立ちコラム > 
  3. コロナ禍で指摘される日本医師会の問題

コロナ禍で指摘される日本医師会の問題

開業医が経営する民間病院の8割はコロナ対策に関与していない

そしてその開業医が経営する民間病院の8割は、実はコロナ対策には関与していません。
2020年の厚生労働省の発表によると、新型コロナ患者受入可能医療機関になっている民間病院は18%にとどまります。
ちなみに公立病院は69%、公的医療機関は79%です。
参考:新型コロナウイルス感染症対応の状況等(厚生労働省)
大きな病院と個人経営の病院では、設備や資金や経営状況など、様々な面で違いがあるため一概に比較はできませんが、コロナ対策に関与する民間病院は少ないのが現実です。

「医師会は医療業界の代表ではない」と言われる理由

「医師会は医療業界の代表ではない」と言われる理由は、コロナの最前線で働いているのはあくまでも勤務医であり、開業医ではないという認識があるからでしょう。

会社の経営者が現場の全てを把握しているわけではないのと同じで、コロナ最前線にいる医療従事者からすれば、医師会の発言は「何もわかってない」になるのかもしれません。

また、日本医師会は医療崩壊を懸念していたにもかかわらず、感染者数が落ち着いた時期に、民間病院の病床確保に動かなかった、という指摘もあります。
参考:「厚労省と日本医師会の無策」で国民にツケ…元厚労省医系技官・木村医師が憤り(デイリースポーツ)
本来なら公立・公的・民間総出でコロナ対策にあたるべきなのに、医師会は声をあげるだけで何もしなったという批判です。

世界屈指の病床数を誇る日本で、医療崩壊が叫ばれるワケ

日本の病床数は、日本医師会の発表によると、2018年時点で1,641,407床、人口 1,000 人あたり13.0床と、世界屈指の規模を誇ります。
参考:病床数の国際比較(日本医師会)
にもかかわらずコロナ対策病床数は、約60,000床と、全体の約3.7%にとどまり、感染者数が増えるたびに医療崩壊が叫ばれます。
参考:新型コロナウイルス対策ダッシュボード
その原因はなにか。先ほどコロナ対策に関与している民間病院は2割だと説明しましたが、その民間病院が総病院数のなんと8割を占めるからです。
参考:都道府県別公的病院数と公的病院病床数比率(厚生労働省)
全体の8割を占める民間病院のほとんどがコロナ対策に関与していないのですから、病床が足りなくなるのは必然でしょう。
ただし、コロナ対策にあたるには、設備や人員などに多額の投資が必要で、そのわりに他の患者の受け入れはできなくなるため、たちまち経営が苦しくなります。

公立病院や公的医療機関に比べて資金力の乏しい民間病院からすれば、正義感だけで飛び込める分野ではないのも事実です。

「コロナ対策には関与しない」という経営判断を頭ごなしに責めることはできません。適切な補助や給付を行い、病床を確保してこなかった自治体や政府にも責任はあります。
2020年、新型コロナウイルスが世界中に広がり、日本でも史上初の緊急事態宣言が発令されました。
翌年になってもコロナの脅威はとどまるどころか、変異を繰り返して感染者をさらに増やしています。
そんななか日本では、「日本医師会」がたびたびニュースで取り上げられるようになりました。

日本医師会の会長が政府の方針に警鐘を鳴らした、医療崩壊の可能性を指摘した、などのニュースです。
至極まっとうな活動をしているように思えますが、一方で、「医師会は医療業界の代表ではない」という声も聞かれ、ときには身内であるはずの医師からも批判の声があがります。

なぜ、日本医師会は批判されるのでしょうか?
どのような問題があるのでしょうか?

コロナ禍で医師会が問題視されるのはなぜか?

新型コロナウイルスに関して、医師の発言は重要な意味を持ちます。
医学的見地と経験に基づいた発言は学びが多く、今後を左右する可能性があるからです。
それなのになぜ、日本医師会は問題視されるのでしょうか?

日本医師会は開業医が力を持つ団体

日本医師会は、基本的に「開業医」が力を持っていると言われます。
開業医とは、自ら民間病院を経営する医師のこと。一方、病院に勤務する医師は「勤務医」と呼ばれます。

日本医師会の前身である大日本医師会が設立された1916年当時、日本には大きな病院はあまりなく、個人経営の民間病院がほとんどでした。

必然的に医師会は開業医で構成されることになり、開業医の利益向上のために動くようになります。
象徴的なのは、1957年から25年にわたって会長を務めた武見太郎氏です。武見氏は開業医の利益を追求した人物として知られ、要望を通すためには全国一斉休診(ストライキ)も辞さないなど、喧嘩太郎の異名を取りました。

ちなみに2019年に日本医師会が発表した会員の割合は、開業医83,368人(48%)に対し、勤務医他が89,395人(51%)とほぼ半々です。
参考:日本医師会の紹介(日本医師会)
この数字だけ見ればバランスの取れた組織に思えますが、歴史的背景から「開業医のため」が根強い団体だと言われています。

医求縁結へのお問合せ・ご相談はこちら

医求縁結

「医求縁結」は、株式会社スコールが運営する医師専門の求人サイトです。
医師資格は取得済みでも未経験の方、将来は開業も視野に入れて就業されたい方、様々な働き方に対応できる求人をご紹介いたします!
医療業界の経験豊富な専門キャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートいたします。

お気軽に下記よりお電話もしくはメールでご連絡ください。